ThermoKinetics Sparse Data Software (TKsd)

Evaluation of Kinetic Parameters from Sparse,Discontinuously Collected Thermoanalytical Data

寿命推定に特化した反応速度論解析 TKsd

Sparce Dataとは加速試験データのような”非連続の間引きデータ”の意味です。

応用例:リチウムイオン電池の 30カ月間の Floating testによる容量維持率データから寿命推定

AKTSTKsd (ThermoKinetics Sparce Data 間引きデータによる反応速度論解析)を使って車載用リチウムイオン電池の寿命推定を試みました。
 
リチウムイオン電池の保管寿命・貯蔵寿命・使用寿命は、使用される温度条件に依存し、一般にアレニウス式に従うことが知られています。TKsdでは、加速試験で得られる限られた測定データから、劣化反応モデル式と活性化エネルギーを算出し、寿命評価を行うことができます。TKsd の “s” は sparse、“d” は data を意味し、直訳すれば「間引きデータによる反応速度論解析」です。
 
ここでは、リチウムイオン電池の容量維持率に関する加速試験データを用いて寿命推定を行います。劣化反応がアレニウス式に従う場合、異なる温度条件での加速試験データがあれば活性化エネルギーを算出できます。一般的な寿命予測では、劣化反応式を仮定し、その反応式に基づいて活性化エネルギーを求めて寿命を推定します。しかし、この仮定した反応モデルが正しいかどうかが常に問題になります。
 
劣化反応のように反応機構が明確でない場合、適切な反応モデルの選択は極めて重要です。
AKTS_TKsd は赤池情報量規準(AIC)とベイズ情報量規準(BIC)を用いて、与えられたデータに対して最も妥当性の高い反応モデルを探索します。
こうして得られた最適な劣化反応式と活性化エネルギーを用いて、10年先の劣化挙動をシミュレーションできます。
 
寿命予測機能は、TKsd Version 5.51 において計算アルゴリズムが改良され、従来よりも高速に計算が完了するようになりました。計算時間は通常 1~2 時間でした。
さらに 現在の Version 7 では計算能力が著しく向上し、バイオ医薬品の長期安定性評価にも対応しています。
Sparse Data(間引きデータ)からの反応モデル推定、AIC によるモデル選択、ブートストラップによる不確かさ評価など、TKsd の特徴的な機能がバイオ医薬品にも適用可能となり、より広い分野で高精度な寿命予測が行えるようになっています。

リチウムイオン電池の寿命評価の本題に戻ります。 段に示すリチウムイオン電池の保持試験データは一種の加速試験です。電池の容量維持率の減少速度に温度依存性があることを示しています。18℃から55℃までの5段階の等温条件で30ヶ月におよぶ測定データから反応モデル式と活性化エネルギーを算出します。このパラメータを使って、さまざまな温度条件での5年先、10年先の寿命(容量維持率)を予測が可能になります。
 
お持ちの加速試験データで寿命予測をしてみたいと希望される方は!

加速試験データをお持ちで、高精度の寿命予測を希望される場合、加速試験データを提供していただければ AKTS  TKsdソフトウエアによる解析結果報告書を提供します。
必要な加速試験データは温度条件として 3条件、測定データは各温度条件で 10数点 合計 4050点程度の測定データがあれば解析が可能です。
ただし寿命とされる劣化率に近い変化まで比較的高温条件で測定されているデータがあると良いです。逆に劣化率が寿命となる劣化程度より低い範囲の測定データしか得られていない場合は寿命予測精度、信頼性が低くなります。
テクニカルノート  TK,TKsdでは、
その他の寿命予測の解析事例がご覧いただけます。