小型反応熱量計とAKTSソフトウエアのパルメトリクス

 応用例:リチウムイオン電池の30カ月間の Floating_testによる容量維持率データから寿命推定

AKTSのTKsd_ThermoKinetics_Sparce_Data(間引きデータによる反応速度論解析)を使って車載用リチウムイオン電池の寿命推定を試みました。


詳しくはテクニカルノートLIB-14_2019.pdfをダウンロードしてください。LinkIcon

保管寿命や貯蔵寿命あるいは使用寿命は使用される温度条件に依存し、アレニウス式に従うことが知られています。ここでTKsd_Thermokinetics(寿命推定モード)は加速試験で得られる数少ない測定データから劣化反応モデル式と活性化エネルギーの算出して寿命評価をすることができます。TKsdのsはsparce、dはdataを意味し、直訳すれば間引きデータによる反応速度論解析と言えます。
ここでリチウムイオン電池の容量維持率の加速試験データから寿命推定を試みます。 
劣化反応はアレニウス式に従うことから、異なる温度条件の加速試験データがあれば活性化エネルギーを算出できます。加速試験データから寿命予測する場合、一般的には推定される劣化反応と加速試験データから得られた活性化エネルギーから、寿命推定をします。ここで問題になるのは推定された劣化反応式が正しいかどうかです。
反応モデルが判明している場合は良いのですが、劣化反応のように反応式が明確でないときは予測に使うべき反応モデルを十分に検討する必要があります。


AKTS_Thermokienticsの寿命推定モードは赤池情報量規準を使って最も妥当性のある反応モデルを探索します。妥当性のある劣化反応式と活性化エネルギーを使って、10年先の劣化度合いをシミュレーションします。



寿命予測計算機能はVersion3.80 からVersion4.231までは計算結果が出るまで半日を要しました。Version5.3ではこの計算アルゴリズムの大幅改良による速度速度は改良され、計算は1~2時間で完了します。リチウムイオン電池の寿命評価の本題に戻ります。 
段に示すリチウムイオン電池の保持試験データ(フローティングテスト)は一種の加速試験です。電池の容量維持率の減少速度に温度依存性があることを示しています。18℃から55℃までの5段階の等温条件で30ヶ月におよぶ測定データから反応モデル式を推定し、得られた活性化エネルギーが求まります。このパラメータを使って、さまざまな温度条件での5年先、10年先の寿命(容量維持率)を予測します
詳しくはテクニカル・ノートLIB_14(PDF)をご覧ください。LinkIconLIB-14_2019.pdf


リチウムイオン電池など2次電池の寿命は保持試験データから得られるカレンダー寿命と充放電サイクル試験データから得られるサイクル寿命があります。カレンダー寿命は保管寿命、サイクル寿命は使用寿命と言えます。
 
実際の車載用リチウムイオン電池などの寿命はカレンダー寿命とサイクル寿命の組み合わさったものになり、2種類の寿命の組合わせで起きる複雑な寿命(電池容量率の変化)を推定する手法は未だ確立されていません。
充放電サイクルデータによる寿命評価はテクニカル・ノートLIB_13(PDF)をご覧ください。
LinkIconLIB-13_2019.pdf


カレンダー寿命とサイクル寿命の予測結果から車載用リチウムイオン電池の維持容量率をシュミレーションした解析例はテクニカル・ノートLIB_16(PDF)をご覧ください。
LinkIconLIB-16_2019.pdf


AKTS_Thermokienticsの寿命推定(AIC_BIC法)の詳細に解説したリーフレットはこちらをダウンロードしてください。AKTS_TKsd_AIC_BIC_2020.pdfはこちらLinkIcon

お持ちの加速試験データで寿命予測をしてみたいと希望される方は


加速試験データをお持ちで、より精度の高い寿命予測を希望される場合、加速試験データを提供していただければAKTSソフトウエアによる解析結果報告書を提出します。
必要な加速試験データは温度条件として3条件、測定データは各温度条件で15~20点 合計で50~60点以上の測定データがあれば解析が可能です。
ただし寿命とされる劣化率に近い変化まで高温条件で測定されていることが必要です。
 劣化率が寿命となる劣化程度より低い範囲の測定データしか得られていない場合は寿命予測精度、信頼性が低くなります。